※R12くらいの性的表現有り
ゼロス→コレット
これから諸君にひとつ ためになることを教えてやろうとおもう。世の中に存在する人間はふたつにわけられ それが全で一でなにもかものはじまりでおわり 男と女、この世を構築するすべてはこのふたつに終末するのだ。もちろん俺様はオトコノコ、おっと訂正オンナノコのことが大好きなオトコノコである オトコノコであるからには当然オンナノコの躰だって大好きで だから今だって俺様の下であえぐ女を無表情で(というのもそこにあるのがなけなしの化粧すら汗でくずれたぶさいくな顔なのだからしかたない)見下ろしながらこうしてテツガクテキな思考を馳せているのである、
オンナノコが大好きだと公言しながらなぜこの(うすら寒い 愛を確かめる行為なんて別名をもつ)行為に没頭できずにいるのかと問われれば 答えてやりたい気持ちはやまやまなのだが やまやまなのだが長くなりすぎるので割愛(各々たくましい妄想力を駆使して好きに解釈してくださればよろしい)「もうすこし声おさえて」なやましくささやけば女はできそこないのミニチュアドールみたいなまつ毛と目元をばさりとひらきくちもとを抑えた 濃すぎるチークのせいでそれが本当に恥じらいなのか確かめるすべはないけれど、あんあんうるさいんだよ考えに集中できないでしょーがという本音は透けて見えてはいないようなので一安心「いー子」優しくはちみついろの髪をなでてやるなどすればアフターフォローも完璧 さすが俺様 惚れ直しちゃうね、じぶんで。ああそれにしても 子ども向けのドールというのはどうしてあんなにけばけばしく頬を染めているんだろうか悪趣味だ気持ちが悪いあれらにあこがれた馬鹿なおんなが馬鹿丸出しに馬鹿みたいな色で頬を染め上げるのだ馬鹿みたい気持ちが悪い決して(決して)俺様の声に 仕草に 言葉に 本当に頬を染めているわけではないのだ なんて不快、不愉快 胃の奥から吐き気がする
きっとあの子はこんな色で頬を染めたりしないきっとあの子は苦いだけのルージュをくちびるに刷いたりもしないきっとあの子はこんなふうに俺様の下でよがったりも(下品な思考がぐるぐるり)ああ違ういまのなし、俺様はこんなことを考えたいわけではないんだ もっとこう、そう たとえば林檎と宇宙を同一視するための絶対条件を指折り数えてみるだとかなんとかエトセトラ 逢着点のないテツガクテキでリンリテキななにかを追いかけ続けていないと、似ても似つかないはずなのに 眼前の女にあの子が、重なって。混迷する脳裏の裏の裏の世界においてあの子は きれいすぎる青い瞳を細めて泪を浮かべて呼吸して、むき出しになったその細い鎖骨にかじりつく俺様の犬歯は、マシュマロを噛んだみたいに甘く彼女と 溶けて、
(どうしてきんぱつのおんななんてだいてしまったんだろう)
ちがうんだ 俺様はオンナノコが大好きなだけだあの子と似た小さな肩こがねいろの髪が目についたからこの女に声をかけたわけじゃない絶対にちがうちがうんだ、あの子の裸体なんて見たこともないのに 女に浮かぶちいさなほくろにすらあの子を暴いてしまったようなきもちになって
(どうしてきんぱつのおんななんてだいてしまったんだろう)
どんどん あの子を 汚してしまう、ばかりで。
世の中に存在する人間はふたつにわけられ それが全で一でなにもかものはじまりでおわり 男と女、この世を構築するすべてはこのふたつに終末する。だけどあの子の好きな男は俺様ではなく、俺様の好きな女は今組み敷いているあの子の模造品みたいなこの女じゃない。夜ごとじぶんを追い詰める非生産的な遊びに興じ 罪悪感で責め立てられながらそれでも一度きりのおんなにずっとずっと愛しいだけのあの子を重ね続ける 平行線は永遠にまじわらない それだけのこと それでおしまい
くだらなくてわらいが漏れた
ベッドが軋むたびに
泣いちゃうほどぼくは弱い
140506
title:リリトちゃんとギヨくん